子のいない夫婦の相続問題を解決する家族信託の活用法
- 家族信託の認知症対策
- 2024/10/24
- 2024/10/24
子のいない夫婦の相続の課題
遺言だけでは不十分な理由
子のいない夫婦が相続を考える際、遺言書はよく利用されます。遺言により、亡くなった際の財産の分配先を指定することができるため、夫婦がお互いの生活のために、遺言を作成します。
しかし、遺言には限界があります。自身の財産を、配偶者に承継して、その先には自分の親族に承継したいと思っても、それが実現しない可能性があるのです。
遺言だけでは財産の継承に関する完全な保証ができないのです。
夫の親族に財産が行く可能性
遺言だけでは問題となるシナリオには、以下のようなケースがあります。
・妻が、先祖代々、承継してきた土地・家屋を所有している。
夫と一緒にその土地家屋で暮らしているので、もし妻が先に亡くなった場合は、夫にその土地建物を使ってもらい、その先には、妻の妹の子に承継したい。
・妻は、自分が亡くなった時に、夫に全財産を渡すという遺言を作成した。
夫も、自分が亡くなった時に、妻に全財産を渡すという遺言を作成した。
・妻が先に亡くなり、夫が全財産を相続した。
というような事例です。
この場合、夫が書いていた遺言書は、無効となります(妻が先に他界しているため)。
夫が新たに遺言書を作成して、土地建物を、妻の妹の子に渡すという遺言を書くこともできますが、その時点で夫が認知症になって判断能力が衰えていれば、遺言書は作成できません。
また、あらかじめ予備的に遺言書に内容を入れていたとしても、遺言の場合は撤回することもできます。公証役場の事例では、高齢になり認知症で色々なことが心配になって、せっかく作成した遺言を撤回してしまうケースもあります。
家族信託で相続問題を解決する方法
家族信託の基本概念
家族信託とは、資産を信頼できる人物に託し、自分が管理できなくなるときに備える方法です。この信託契約には、三者が関わります。委託者は資産を託す人、受託者はその資産を管理する人、受益者は資産から利益を受ける人です。家族信託の大きな特徴は、資産を未来にわたって管理・分配できる点にあります。これにより、遺言では対応しきれない長期的な相続の設計が可能になります。
名古屋市瑞穂区の事例:家族信託で長期の相続の設定と運用方法
家族信託を設定するには、まず専門家に相談し、信託契約書を作成します。この契約書には、資産をどのように管理し、誰にどのように承継するかを明確に記載します。
今回の名古屋市瑞穂区の事例では、妻が亡くなったら夫が財産を承継し、その先には、妻の妹の子(甥)に、先祖から引き継いだ土地を渡せるように設計しました。
家族信託の受益者を、妻→夫→妻の妹の子(甥)という流れで設計して、スムーズに財産が承継できるような形になりました。
家族信託のメリットと税務面
家族信託のメリット
家族信託の主なメリットは、長期的な相続対策が可能な点です。遺言では相続の次のステップを指定するのが難しいですが、家族信託ならば、委託者が亡くなった後、受託者が指定された受益者に財産を渡すことができます。これにより、複雑な相続の計画が実現し、将来的な相続問題の予防が可能となります。家族信託は、長期的な視野で財産管理と相続計画を行いたい方にとって有効な手段です。
家族信託にかかる税金と注意点
家族信託の設定時には、多くの場合、委託者=受益者となるため、贈与税や不動産取得税はかかりませんが、登録免許税が必要です。
また、信託設定後、資産が受益者に渡る際には、相続税がかかる可能性があります。終了時の税金も含め、詳細は専門家に相談することをお勧めします。家族信託相談所では、税務の専門家とも連携し、スムーズな資産の移転を実現していきます。
家族信託のことは、まずはお気軽にご相談ください。
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