
家族信託の1年ルールとは?契約が強制終了しないための対策法を解説
- 家族信託の認知症対策
- 2025/4/30
- 2025/4/28
家族信託は、認知症対策や相続対策に有効な制度ですが、いわゆる「1年ルール」を知らないまま契約すると、想定外のタイミングで終了してしまうリスクがあります。この記事では、家族信託の1年ルールの詳細と、それを回避する具体策をわかりやすく解説します。
家族信託の1年ルールとは何か
受益者=受託者が1年間続くと契約終了
家族信託の契約において、「受益者=受託者」の状態が1年間続くと、信託契約が自動的に終了してしまうという決まりがあります。
たとえば、家族信託を設定した後、受益者が亡くなり、次の受益者を受託者と同一人物にせっていした場合、その状態が1年間続くと信託契約は強制終了となります。
信託契約で、第三受益者まで設定していたとしても、その手前で終了してしまうため、資産承継や認知症対策が不完全になるリスクがあります。
受託者不在が1年間続く場合も要注意
また、受託者が死亡・辞任したにもかかわらず、新たな受託者を選任しないまま1年が経過すると、やはり家族信託は終了します。
特に、委託者がすでに認知症を発症しているなど、新たな受託者を決められない状況では、対処が難しくなります。
家族信託の1年ルールを回避する方法
受託者・受益者を複数人で設定するメリット
対策として、受益者=受託者にならない状態にする設計をしたり、信託契約時に、複数の受益者を設定しておくことが有効です。
たとえば、第二受益者を2名以上にしておけば、「受益者=受託者」の状態が完全一致することを避けられます。
第二受託者や法人を活用したリスク回避策
以下のような対策も効果的です:
- 第二受託者をあらかじめ契約書に明記しておく
- 受益者に受託者を選ぶ権限を付与する
- 法人を受託者にすることで死亡リスクを回避する
名古屋家族信託相談所で信託契約を組成する場合は、万が一に備え、できるだけ第二受託者も選定していただくようご案内しています。
また、法人を受託者とする場合、法人は存続性が高く、受託者が不在になるリスクがほとんどありません。また、資産が多い方や不動産管理などが絡む場合は、法人の方が運用も効率的となる場合もあります。
安心して家族信託を活用するためのポイント
契約書作成は専門家に依頼するのが安心
家族信託は柔軟な制度ですが、契約内容に抜けや誤りがあると、本来の目的を果たせないリスクが高まります。
そのため、契約書の作成時には、家族信託に詳しい司法書士や弁護士に相談するのがおすすめです。
とくに「1年ルール」を見落としている契約は少なくなく、専門家に依頼すれば、万が一の事態にも備えた内容にしてもらえます。
家族信託に強い司法書士・弁護士の選び方
以下のような点を基準に、信頼できる専門家を選びましょう:
- 家族信託の実績や相談件数が多いこと
- 認知症対策や相続全体の設計にも強いこと
- 事務所に複数名の専門家が在籍していること
アフターフォローや登記手続きなども任せられる体制のある事務所であれば、長期的な安心感が得られます。
名古屋家族信託相談所では、家族信託や相続問題に詳しい専任のコンサルタントが、お客様にご安心いただけるよう総合的にサポートいたします。
まとめ
家族信託は、柔軟で魅力的な資産管理・承継の手段ですが、「1年ルール」の存在を知らなかったために、意図せず信託が終了してしまうケースもあります。
これを防ぐには、以下のような対策が重要です:
- 受益者=受託者を避ける、受益者を複数名にしておく
- 第二受託者を明記しておく
- 不動産の管理などは法人受託者も検討する
- 契約内容に柔軟性を持たせる
そして何より、家族信託の設計・契約は専門家のサポートを得て進めることが、確実で安心な家族信託への第一歩です。
将来のリスクに備えるためにも、信頼できる行政書士、司法書士への相談を検討してみてください。当事務所では些細なことでもご相談に乗っております。お気軽にお問い合わせください。
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