家族信託(民事信託)が終了した時の不動産の名義変更と税金

家族信託が終了した場合、どのような手続きと税金がかかるのでしょうか。
信託財産として不動産を信託していた場合の手続きと税金を見ていきましょう。

家族信託が終了するケースの中で一番多いと考えられるケースが、委託者兼受益者が死亡するケースです。
この場合、不動産の名義変更としては、信託財産引継を原因とする所有権移転登記により、清算受託者を登記義務者・残余財産の帰属権利者を登記権利者として登記の申請を行います。

信託終了時の登録免許税の計算

上記のケースにおいて、家族信託の終了に伴う登録免許税は、

  • 所有権移転登記分として、固定資産評価額の20/1000
  • 信託の登記の抹消登記分として、不動産1個につき1000円

となります。

なお、帰属権利者が委託者の相続人の場合で、要件を満たす場合には、所有権移転登記分の登録免許税が4/1000となります。
つまり、相続人が取得する場合は、相続登記の税率と同じになるということです。
この登録免許税の根拠は、登録免許税法7条2項にあります。

登録免許税
(信託財産の登記等の課税の特例)
第七条 信託による財産権の移転の登記又は登録で次の各号のいずれかに該当するものについては、登録免許税を課さない。
一 委託者から受託者に信託のために財産を移す場合における財産権の移転の登記又は登録
二 信託の効力が生じた時から引き続き委託者のみが信託財産の元本の受益者である信託の信託財産を受託者から当該受益者(当該信託の効力が生じた時から引き続き委託者である者に限る。)に移す場合における財産権の移転の登記又は登録
三 受託者の変更に伴い受託者であつた者から新たな受託者に信託財産を移す場合における財産権の移転の登記又は登録
2 信託の信託財産を受託者から受益者に移す場合であつて、かつ、当該信託の効力が生じた時から引き続き委託者のみが信託財産の元本の受益者である場合において、当該受益者が当該信託の効力が生じた時における委託者の相続人(当該委託者が合併により消滅した場合にあつては、当該合併後存続する法人又は当該合併により設立された法人)であるときは、当該信託による財産権の移転の登記又は登録を相続(当該受益者が当該存続する法人又は当該設立された法人である場合にあつては、合併)による財産権の移転の登記又は登録とみなして、この法律の規定を適用する。

ポイントとしては、信託の効力が生じたときから引き続き委託者兼受益者の状態であるということです。
これは、家族信託の契約書の中で、委託者の地位をどのように設定するかということを決めることができます。

また、この登録免許税法の中で、受益者と出てくるのは、信託法で帰属権利者と読み替えすることが可能です(信託法 183条6項)。
登録免許税法7条2項については、受益者を帰属権利者と読み替えたほうが読みやすいかと思います。

信託法
(帰属権利者)
第百八十三条 信託行為の定めにより帰属権利者となるべき者として指定された者は、当然に残余財産の給付をすべき債務に係る債権を取得する。ただし、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。
2 第八十八条第二項の規定は、前項に規定する帰属権利者となるべき者として指定された者について準用する。
3 信託行為の定めにより帰属権利者となった者は、受託者に対し、その権利を放棄する旨の意思表示をすることができる。ただし、信託行為の定めにより帰属権利者となった者が信託行為の当事者である場合は、この限りでない。
4 前項本文に規定する帰属権利者となった者は、同項の規定による意思表示をしたときは、当初から帰属権利者としての権利を取得していなかったものとみなす。ただし、第三者の権利を害することはできない。
5 第百条及び第百二条の規定は、帰属権利者が有する債権で残余財産の給付をすべき債務に係るものについて準用する。
6 帰属権利者は、信託の清算中は、受益者とみなす。

信託終了時の不動産取得税の計算

家族信託が終了して、帰属権利者に不動産の所有権が移転すると、不動産取得税が課税されます。
しかし、相続人にあたる人が取得する場合など、不動産取得税が課税されない場合があります。地方税法73条の7の中の4号をご確認ください。

地方税法
(形式的な所有権の移転等に対する不動産取得税の非課税)
第七十三条の七 道府県は、次に掲げる不動産の取得に対しては、不動産取得税を課することができない。
一 相続(包括遺贈及び被相続人から相続人に対してなされた遺贈を含む。)による不動産の取得
二 法人の合併又は政令で定める分割による不動産の取得
二の二 法人が新たに法人を設立するために現物出資(現金出資をする場合における当該出資の額に相当する資産の譲渡を含む。)を行う場合(政令で定める場合に限る。)における不動産の取得
二の三 共有物の分割による不動産の取得(当該不動産の取得者の分割前の当該共有物に係る持分の割合を超える部分の取得を除く。)
二の四 会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第百八十三条(金融機関等の更生手続の特例等に関する法律(平成八年法律第九十五号。以下この号において「更生特例法」という。)第百四条又は第二百七十三条において準用する場合を含む。)、更生特例法第百三条第一項(更生特例法第三百四十六条において準用する場合を含む。)又は更生特例法第二百七十二条(更生特例法第三百六十三条において準用する場合を含む。)の規定により更生計画において株式会社、協同組織金融機関(更生特例法第二条第二項に規定する協同組織金融機関をいう。以下この号において同じ。)又は相互会社(更生特例法第二条第六項に規定する相互会社をいう。以下この号において同じ。)から新株式会社、新協同組織金融機関又は新相互会社に移転すべき不動産を定めた場合における新株式会社、新協同組織金融機関又は新相互会社の当該不動産の取得
三 委託者から受託者に信託財産を移す場合における不動産の取得(当該信託財産の移転が第七十三条の二第二項本文の規定に該当する場合における不動産の取得を除く。)
四 信託の効力が生じた時から引き続き委託者のみが信託財産の元本の受益者である信託により受託者から当該受益者(次のいずれかに該当する者に限る。)に信託財産を移す場合における不動産の取得
イ 当該信託の効力が生じた時から引き続き委託者である者
ロ 当該信託の効力が生じた時における委託者から第一号に規定する相続をした者
ハ 当該信託の効力が生じた時における委託者が合併により消滅した場合における当該合併後存続する法人又は当該合併により設立された法人
ニ 当該信託の効力が生じた時における委託者が第二号に規定する政令で定める分割をした場合における当該分割により設立された法人又は当該分割により事業を承継した法人

信託開始時から委託者兼受益者であり、当初委託者の相続人である帰属権利者が不動産を取得した場合は、不動産取得税が課税されないということになります。
この点についても、信託契約書の中で、当事者がどのような地位を持ち承継するかを定めていく必要があります。

家族信託の終了に関する登記や不動産取得税については、以下のページもご参考ください。

信託終了と不動産取得税
http://souzoku-shiba.com/sintaku/qa/20171212/
https://ameblo.jp/s-legal-estate/entry-12447114536.html

信託財産引継の登記
https://umino-legal.jp/blog/805/

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