家族信託はお早めに
- 家族信託の認知症対策
- 2021/12/6
- 2021/12/23
名古屋もここ半月くらい、急に寒くなってきましたね。
名古屋に本拠地を置く中日ドラゴンズは初夏から秋風が吹いていましたが……
本物の秋を迎え、監督が交代してどうなるのでしょうか。
さて(この話を始めると止まらなくなりますので、ここで方向転換)。
いきなり寒くなって困るものの1つに、服装がありますよね。
気温が急激に下がった10月半ば、
徳重駅から緑区のオフィスまで歩きながら寒風に耐えておりました。
名駅オフィスは名古屋駅の地下街があるからいいのですが、
外を歩くときは寒風が身に沁みます。
そしてその日帰宅すると、普段着も衣替えの準備ができていません。
半袖のままで「寒い」と震えていると、妻が一言。
「寒くなるって、天気予報で前から言っていたよね? 準備しておかないからだよ」
もうただただ、仰せの通りでございます。
家族信託は早めの動き出しが肝心
「事前に動いておけばよかったのに」という言葉。
気温の変化であれば(体調を崩してこじらせない限り)笑い話で済みますが、
家族信託の場合はそういかないケースもあります。
とはいえ、人間の「老い」はある程度分かっていたとしても、
なかなか動き出せないのが実情ではないでしょうか。
元気であれば、元気がなくなったときのことをあえて話題にする必要もないじゃないか……
確かに一理あるのかもしれません。
しかし、家族信託は「何かが起きてから」では手遅れになる可能性もあるのです。
ご相談を受けていて残念に思うとき
家族信託は「契約」であるため、
相手方(主にお父様やお母様などの委託者)の意思がしっかりしている必要があります。
ご相談にお越しいただいたときにも、
私達コンサルタントがまずお尋ねするのが「お父様お母様など委託者の意思確認」です。
ところが、実際にお会いしたところ、
残念ながら既に意思確認の難しい方も存在するのが実情です。
こういう方々に共通しているのが、意思の疎通が難しくなって
今後の不安が現実味を帯びてから動き出している点です。
感覚の問題でデータ化はしていませんが、
家族信託のご相談にいらっしゃる中で半数近くの方は
「契約の締結は微妙か恐らく無理」と判断しているように思います。
無理と判断した方々の中には、
家族信託を利用できていればメリットが大きかったと感じるご家庭も多いので、
本当に残念な気持ちになります。
1年、いやせめて半年早くご相談いただけていたら……
そういう事例に遭遇すると悔しさもありますね。
信託契約を結べないまま意思能力がなくなったら
認知症が酷くなるなど、意思能力が低下してしまった場合、
その方が所有している財産の管理や移転などがスムーズにできなくなるデメリットが生じます。
なぜなら、管理や移転を行うには「所有者本人の意思が必要」だからです。
駐車場やアパートを経営しているのであれば、
新たな賃貸借契約が結べなくなります。
また、所有している土地建物を売却したいときにも、
本人の意思確認が取れずに成年後見制度を利用しなければ不可能となってしまいます。
そのほか、銀行などで預金が凍結される恐れも出てきますよね。
ご家族が本人に代わって行える行為も、現行法上では認められていない部分が多いのです。
「認知症」と診断されても諦める必要はない
ここまでは「お早めに」というお話を中心にお伝えしてきました。
しかし、認知症と診断されたからといって直ちに諦める必要はありません
(「あきらめたらそこで試合終了ですよ?」という
某アニメ作品のイラストを挿入したくてうずうずしています)。
家族信託の契約は、基本的に「私の財産を〇〇に託し、
管理運用をしてもらいたい」という意思表示がしっかりできれば締結できます。
ご本人が認知症と診断されているかどうかではなく、
その時点において自分の意思がしっかり表示できているかどうかが重要なのです。
「認知症と診断されても、ご本人の意思があれば諦める必要はない。
しかし、認知症と診断されているのであれば尚更早く取り掛からないといけない」
という認識を持っていただけると、
そこからの対応も計画的に行えるのではないでしょうか。
思い立ったらご相談を
今回のお話は、家族信託だけでなく相続対策全般に言えることかもしれません。
遺言や生前贈与など、ご本人の意思がないと行えないものばかりです
(こうして触れられれば「当然」に聞こえますが、実感ではなかなか理解の難しいことです)。
家族信託を含めた相続対策について、
思い立ったら「はらこ事務所」までぜひ相談にお越しください。
状況やご家族に応じて、家族信託を含めたさまざまな相続対策をご提案いたします。
はらこ事務所は、徳重駅が最寄りの緑オフィスと、
国際センター駅近くの名駅オフィスがあり、どちらでもご相談が可能です。
(担当:永井)