障がいのある子のための家族信託・親権者との任意後見(親心後見)
- 家族信託の事例紹介
- 2022/3/4
- 2022/3/7
障がいの子どものための家族信託と任意後見
名古屋家族信託相談所では、障がいのあるお子さんをお持ちの方からの家族信託・商事信託(信託銀行や信託会社、生命保険信託など)のご相談があります。
また、あわせて、親権者を任意後見受任者とする任意後見の仕組みを使いたいということで、ご相談に来られる方もいらっしゃいます。
成人年齢引き下げで家族信託や任意後見を検討
2022年の4月1日から、成人年齢が20歳から18歳に変わることで、お子様のことを考えて色々検討されるかたが増えています。
成年年齢に達するまでは、親が法定代理人ですので、未成年のうちに、対策を考えておきたいと、ご相談が多くなっています。つい先日も、千種区にお住いのお客様から、家族信託と任意後見のご相談をいただきました。お客様の状況によって、対策や選択肢が異なりますので、まずはお気軽にご連絡いただければと思います。
ちなみに、親権者を任意後見の受任者とする仕組みとして、親心後見としてご紹介されていますので、以下にリンクを貼っておきます。
https://oyagokoronokiroku.jp/oyanakiato/
親権者の任意後見についての法務局の見解
この任意後見について、令和4年1月24日、法務省からの見解がでていますので、ご紹介いたします。
- 単独親権者を任意後見受任者とする任意後見契約
- 共同親権者の一方を任意後見受任者とする任意後見契約
単独親権者又は共同親権者の一方を任意後見受任者とする任意後見契約について(照会)
単独親権者が子を代理して自身を任意後見受任者として締結した任意後見契約 及び
共同親権者である父母が子を代理して当該父母の一方又は双方を任意後見受任者として締結した任意後見契約 については,
民法第826条第1項に反して無権代理行為となることから,
子が未成年である場合にあってはその特別代理人,
子が成年に達しており意思能力を有する場合にあっては子本人,
子が成年に達しており意思能力を有しない場合にあっては成年後見人
のいずれかによって追認がされない限り,
当該契約は子に対して効力を生じないものと考えます。
なお,追認は,公正証書又は公証人の認証を受けた書面による必要があるものと考えます。
同様に,未成年の子の共同親権者の一方のみが子を代理して,他方の親権者を任意後見受任者として締結した任意後見契約についても,
民法第818条第3項本文に反して無権代理行為となることから,
上記と同様の追認がない限り,当該契約は子に対して効力を生じないものと考えます。
上記各契約が無償契約である場合には,子に対して効力を生ずるとの考えもあり,いささか疑義があることから,照会します。
↓
本年1月24日付け東京法2後1第1号で照会のありました標記の件については,貴見のとおりと考えます。
(法務省民一第136号令和4年1月24日)
親権者との任意後見について
上記のとおり、親権者との任意後見については、特別代理人の選任の申立が必要となります。
実際に、特別代理人の申立ての際は、相続による遺産分割協議書(案)を提出するのと同様に、任意後見の契約書(案)が必要になるものと考えられます。
それ以外でも、任意後見の効力の発効など、検討すべきことも多くありますので、まずは専門家にご相談いただければと思います。